作り手はたった1軒。かわいくてこころ癒される新潟の伝統的なお菓子「浮き星」
ひと目見ると金平糖のような、かわいいお菓子「浮き星」。これは新潟の伝統あるお菓子で、かつては「ゆか里」という名前で新潟市民に愛されていました。しかしながら近年、売り場が縮小し、作り手も明治33年創業の「明治屋」さん1軒。そこで再度このお菓子を多くの方に届けるため、新潟のヒッコリースリートラベラーズが「浮き星」をプロデュースし、全国へ展開することとなりました。
「浮き星」はもち米(あられ)に砂糖蜜をかけた甘いお菓子です。
一見、金平糖のように見えますが、中身があられなので甘さが控えめで素朴な味わい。
ヒッコリースリートラベラーズのプロデュースのもと、手軽なお土産として親しんでもらえるよう、新たにさわやかな色合いの「浮き星」をミックスさせ、現在では新潟らしく、かわいいイラストを添えたパッケージのものを販売しています。
また、作ってくださる小林さんの協力もあり、ここ数年で新しい味やミックスが生まれました。
もともと「ゆか里」はお湯(水)を注いで飲んで(食べて)いたもの。実際に試してみると、はじめは沈んでいるのですが、数秒で周りの砂糖が溶け、中心にあるあられがぷかぷかと浮いてきます。
思わず「おお~」と声が出てしまうほど、その様子はとてもかわいらしく、ぜひみなさんにも楽しんでいただきたいお菓子です。
賞味期限も10ヶ月ほどあり、手土産としても自宅用としても安心して楽しむことができます。
作り方は、大きな回転式の窯に浮き星の芯となるあられを入れて、そこに砂糖蜜を掛けて金平糖のように角を付けていき、その後それぞれの味のフレーバー味と香りを付けます。釜の前での作業は朝から晩まで、なんと9時間にも及ぶそうです。
粒をそろえるためにふるいにかけるなど、その他の工程もたくさんありますが、それに加えて季節やその日の天候などに合わせて窯の角度や火加減を変えるなど、職人さんでなければできない仕事を経て完成する職人技の光るお菓子です。
浮き星の一番の魅力はなんといっても、伝統の技でしっかりと丁寧に作られている点。加えて見た目もかわいらしいので、子供からご年配の方まで楽しんで食べられるお菓子です。
また紅茶やアイスクリームなど、ほかの食品との組み合わせが楽しめるのが特徴。最近では多くの方がSNSで食べ方を紹介しています。
そのまま食べても十分おいしい浮き星ですが、ほかの食品と組み合わせて、いろいろな食べ方を発見するのも楽しいですね。
また見た目の可愛らしさと素朴な味わいが多くの方々に喜んでいただけるので、ギフトやプレゼントにおすすめ。季節に合わせた限定パッケージやブライダルのプチギフト用の仕様もあるので、贈り物としても喜んでいただけますよ。
最近では日本の伝統のお菓子として、海外の方々にも興味を持ってもらっています。
これからの目標は、何よりもこの伝統の技と味を途絶えさせることなく後世に残していくことだそう。せっかく後継ぎもできたので、職人さんがやりがいを感じ、誇りをもって仕事ができるようなお手伝いをこれからも続けていきたいとのことでした。
「浮き星」は日本の伝統のお菓子、見た目にもかわいく味もおいしい一品です。これから伝統がどんな進化を遂げるのか、楽しみですね。ぜひお手にとって楽しんでいただきたいです。
記事は取材当時のものです。