宿場町のノスタルジックな面影を残す小さな店が集まる「玉藻小路」

玉藻小路

 

江戸時代、日光東照宮へ至る日光街道の宿場町として栄えた今市。現在も日光や鬼怒川方面への交通の起点となっています。そんな今市で、宿場町の面影を残すノスタルジックな小路を訪ねてみました。

 

玉藻小路の玉藻稲荷

 

日光街道沿い、「道の駅日光 日光街道ニコニコ本陣」の駐車場脇の小道を進むと現れる「玉藻小路(たまもこぢ)」。昔は花街だったといわれる場所で、人ひとりがやっとすれ違うことができる路地には長屋が並び、なんともいえないノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

 

玉藻小路の風景

 

真っ赤な鳥居のある稲荷神社の角を曲がると、最初にあるのが「ヰザワドーナツ」。日光の湯葉店から譲り受けるおからで作ったドーナツがショーケースに並びます。一番人気は栃木名産のイチゴのドライチップがのった「とちおとめ&ホワイトチョコ」170円。片手で食べられるような小ぶりのドーナツをお供に散策を楽しみましょう。

 

玉藻小路の雰囲気

 

玉藻小路にはネコの足跡

 

ぽわっとした電球のやわらかい灯りが店内から漏れる小路は、全長20~30mにも満たないほど。5軒ほどのショップやカフェが集まり、「いまいちやど」という、外国人に人気の長屋を改装したゲストハウも。小路に目を落とすと、ネコがこっちだよ! というように足跡でお店の場所を案内しています。

 

enn はなとくらし

 

花のある生活をコンセプトにした「enn はなとくらし」は、生花や生活雑貨などを扱う店。店内に入ると、ローズの心地好い香りに包まれます。ドライフラワーも店舗で作っており、しっかりと色が残ったその美しさはびっくりするほどきれい。ブーケは800円前後からそろいアレンジにも対応。

 

enn はなとくらしの商品

 

ここで見つけたのが、なんとメロンから型取りした磁器の器。メロンのひび割れ模様が見事に再現されており、その色合いもやわらくて素敵。この磁器を含め、県内の作家さんの作品や手作り雑貨も販売しているので、掘り出し物に出会えるかもしれません。

 

玉藻小路の景観

 

日光珈琲 玉藻小路

 

玉藻小路の雰囲気を存分に味わえるのが、中ほどにある「日光珈琲 玉藻小路」。遊郭(置屋)だった建物を、3年の歳月をかけてリノベーションしたもので、木枠の窓・擦りガラス・飴色に輝く板張りの床・ステンドグラス・・・ 当時の面影が残るタイムスリップしたかのような穏やかな空間が広がります。

 

日光珈琲 玉藻小路のステンドグラス

 

日光珈琲 玉藻小路のコーヒー

 

自家焙煎のオリジナルブレンドコーヒー550円をいただきながら、もの思いにふけるにはぴったり。ゆったりとした空気が流れ、いつまでも長居したくなるような至福のひとときを過ごすことができます。

 

日光珈琲 玉藻小路の内観

 

日光珈琲の目の前には、60種類超える手ぬぐいがそろう「てぬぐい風呂敷 唐草」があり、扱っている手ぬぐいはすべて、注染とよばれる手染め。日光にちなんだものをはじめ、さまざまな柄があり、がまぐちやハンカチなどの和小物もひと目ぼれしそうなほど魅力的です。

 

てぬぐい風呂敷 唐草

 

てぬぐい風呂敷 唐草の商品

 

宿場町の面影を残す「玉藻小路」。ほんの小さなエリアに残ったノスタルジーを感じる小路には、木造長屋をリノベーションした、魅力的なお店であふれていました。時が止まったかのようなぬくもりある空間には、現代では忘れがちな、ゆったりとした時が刻まれているようです。

 

Photos:(C)tawawa

 

記事は取材当時のものです。