異国の風と日本のものづくりを活かした 柴田菜月さんの陶芸作品のやさしさ

柴田菜月

 

柴田菜月さんの作品と出会ったのは、2018年10月の手紙舎さん主催のもみじ市でのことでした。異国の風を感じさせるちょっと不思議な陶器のオブジェは愛嬌があって一目で魅了されてしまい…デフォルメされた鳥や猫の動物たちはまるっとしていて思わず手にとって触ってみたい!という親近感があります。そんな柴田菜月さんの創作活動について、お話を伺いました。

 

柴田さんは女子美術大学付属中学校、高校卒業後、女子美術大学工芸科では陶芸を専攻します。その後東京芸術大学大学院美術教育専攻修了。女子美での助手職ののち、信楽の陶芸の森で創作研修生を。そこで出会ったベルギーの方との縁でベルギーへ短期留学。帰国後徐々に個人作家として活動開始。東京を中心に活動中です。

 

とても精力的に陶芸に携わってきたのですね。数々の努力を経て洗練された作品を生み出しているのも納得します。

 

柴田菜月 作品

 

現在のような作品を創作するようになったきっかけは、北欧の文化が注目されるずっと前から北欧、特にフィンランドが興味の中心だったそう。

 

中学の頃、両親に連れられて行った住宅展示場で見かけたインテリアに惹かれ、それがたまたまフィンランドのものだったのもきっかけのひとつです。暗くて長い冬をいかに楽しく過ごすか、というテーマで室内を装飾していると聞き、とても深く納得。そのことが今につながっていると感じています。

 

北欧の文化はどこか温もりがあって、それでいて楽しげなものを生み出している、そんな生活の工夫に私も共感しました。

 

柴田さんが創作のうえでとくに気をつけているのは、想像する幅を持たせる作品を作ることと、流行にのらないずっと楽しめるものを作ること。

 

柴田菜月 作品

 

陶芸は主に「器」として作られることが多いのでオブジェとしての認知はまだ低いですよね。なので作品を「陶芸」だと思わせる前に魅力ある形で惹きつけたいと思っているそう。

 

流行にとらわれずに長く楽しんでもらうためには形も重要だと考えています。そしてとにかく「これなんだろう」とわくわくさせるものを作りたい、と柴田さん。

 

確かに柴田さんの作品はずっと愛着の湧くような、とても想像力をかきたてられるものばかり。すこし不思議な世界観を持った動物のオブジェは、私たちの常識を超えて訴えかけてくるものがあります。

 

柴田菜月 作品

 

そんな作品をお迎えした方には、自由に想像していろいろな場所に置いて楽しんでもらいたい。作品の中に粘土の粒を入れているものが多いので振ると「シャラシャラ」音がします。その音はその作品からのレスポンス(お返事)だと思っているのでたまに振ってみてほしいです。

 

実物を見てみると、表面の質感がすこしでこぼことしていて、柴田さんの世界観というべきか、息をしているかのような親しみやすさを覚えます。

 

最後に、これからチャレンジしてみたいことを伺いました。もともとプロダクトデザインにも興味がある柴田さんは小作品が流通していく楽しみも味わいつつ、大きい作品も作っていきたいのだそう。

 

よりインテリアになりそうな作品、例えば表札や看板、照明など少し用途のあるものも挑戦していければと思っていて、課題をもらって作るもの好きなので何かとコラボ、というのも楽しそう、と生き生きしていらっしゃいました。

 

愛嬌があって、思わず笑顔になる柴田さんの作品は、実物を手にとっていただくのがいちばんのように思います。各地で出展イベントなどを行われているので、ぜひ足を運んでみてくださいね。その世界観にワクワクすると思います。

 

柴田菜月 作品

 

編集部でもかわいらしいブローチを購入させていただきました。たくさんの表情がある作品の中から、自分だけのお気に入りを見つけるのはとても楽しい体験でした。

 

これからもすてきな作品を生み出していくであろう、柴田さんの活動に注目したいですね。

 

記事は取材当時のものです。