女性たちの声を形に。工業用品から生まれ変わった「mt」のマスキングテープ
ここ数年、とくに女性を中心に人気の文房具のひとつに様々なデザインが施された「マスキングテープ」があります。この絵柄のついたマスキングデープを最初に世に送り出した「カモ井加工紙株式会社」さんに、その誕生から現在までのお話をお伺いしました。いまではどこの文房具店でも取り扱われていると言ってもおかしくはない、かわいらしいマスキングテープは、実は工業製品と深いつながりがありました。
1923年に「カモ井のハイトリ紙製造所」として創業し、ハエ取り紙などを主に製造していた会社は、1946年に「カモ井加工紙株式会社」に改称されます。そして1961年には自動車産業の拡大にともない、はじめての和紙粘着テープの製造をスタートしました。マスキングテープはもともと、建物や自動車、家具などの塗装の際に使われる工業用品でした。
いまでは主力商品は和紙粘着テープとなりましたが、現在でもハエ取り紙を製造し、国内や海外へも販売しています。
そして柄付きのマスキングテープを世に送り出すきっかけは、マスキングテープに魅せられた3人の女性が作った1冊の本がはじまりだったそうです。
マスキングテープ=工業用品という概念を取り払う美しいデザインに深く感銘を受け、彼女たちの「新しい色のマスキングテープを作って欲しい」というリクエストに応えて、mtの開発をスタートさせました。
このような歴史を経て、2008年にカラフルで女性向けの色味の「mt」をギフトショーにて発表し、グッドデザイン賞を受賞します。
いままでは工業用品だったマスキングテープを、ラッピングに使用したり、付箋がわりに使ったりというmtの新しい提案は、女性たちの心に響き、ほどなく注目を集めることとなりました。
さらにmtは文房具、生活雑貨としてだけではなく、生活の一部に彩りを添えることができる商品として「mt CASA」という商品も展開しています。
これはmtの幅を広くした商品で、貼ってはがせるというマスキングテープの特徴を活かし、インテリアの模様替えやカラーBOX、小物などの装飾用として昨今のDIYブームに乗って人気を伸ばしています。
日常生活には欠かせない粘着テープですが、mtを手に取ったお客さまには、マスキングテープmtをプレゼントの装飾に使用したり、思い出の写真を部屋の壁に貼り付けたり、無機質な壁にmtで彩りを添えたりして、かわいい・きれいを日々感じて楽しんでいただけたら、と担当者さん。
これからは、日本で生まれた薄くて丈夫な和紙を使用したマスキングテープを日本国内にとどまらず、海外へも普及させていきたいとのこと。社員のみなさんは和紙の魅力を伝えるアイテムのひとつとして、mtを世界の方々のもとに届けられるように日々頑張っています。
そんな魅力に溢れたmtですが、なんと小ロットでオリジナル柄のマスキングテープが作れるそうです!自分がデザインした柄がマスキングテープになると思うとわくわくしますね。ぜひ専用サイト「my mt factory」をご覧くださいね。
http://www.masking-tape.jp/originalTape/
掲載内容は取材当時のものです。