自分だけの香りを作る。香りを聞きながら安らぎのひとときを楽しむ。神楽坂「Juttoku.」お香作り体験
神楽坂のお香専門店「Juttoku.」では、世界でひとつだけの香りを作る「お香づくり体験」を行っています。平安時代の貴族たちが、香を自分で調合して風流を感じていたように、お香の原料をひとつずつ聞きながら自分の好きな香りを作る時間はなんともいえず安らぎのひとときです。
以前ご紹介した神楽坂のJuttoku.でお香作りを体験してきました。
お香の調香は平安貴族も嗜んでいたというのですから、私もすこし風流な気持ちになります。
こちらがお香の原料です。樹脂や木の実など様々な部分から作られています。
オーナーの井口さんに丁寧にお香の歴史や種類についてレクチャーを受けながら、お香をひとつひとつ聞いていきます。
左上から、白檀(びゃくだん)。甘くふくよかな香りがします。もっともポピュラーなお香です。
中央が龍脳(りゅうのう)。すっきりとした穏やかな香りで、古くから香料としてだけでなく、防虫剤・防腐剤の原料としても使われています。
右が丁子(ちょうじ)。こうばしくするどい香りで、こしょうと並ぶ代表的な香辛料として広く用いられています。
中央左が桂皮(けいひ)。刺激的な甘い香りで、駄菓子などの食品や胃薬などに広く使われています。シナモンというと一般の方もイメージがつくとおもいます。
中央が山奈(さんな)。さわやかなしょうがの香りがします。ショウガ科のバンウコンの根茎を輪切りにし乾燥させたもので、衣類の虫よけとしてよく使われます。
右が甘松(かんしょう)。濃厚な甘さと渋みのある香り。独特な香りのため調香のアクセントとして使われます。
下段左が大茴香(だいういきょう)。甘く官能的な香りで、中国料理やフランス料理の香辛料をして用いられるほか、歯磨き粉の清涼剤の香料にもなります。
中央が藿香(かっこう)スパイシーでエキゾチックな香りです。パチョリとも言われ、東洋の代表的な香料のひとつです。
最後に右下が乳香(にゅうこう)ほのかな甘い香りと酸味が特徴です。オリーブと同じカンラン科の木からにじみ出た樹脂を乾燥させたもの。フランキンセンスというと、聞いたことがあるかもしれませんね。
どれも個性があって、それぞれ異なる香りなので、甘いと言っても一概に言葉に表現しきれない深みがあります。お香を聞いているだけで、ふわっと頭の中に様々なイメージが浮かびます。
今回は白檀をベースに、桂皮、山奈と調香し、甘松を少々加えました。そこにお香のベースを加え、少量の水で練って粘土状にします。
2mm程の薄さに伸ばし、桜の型で型抜きしてみました。
小さな薬さじ1杯のお香を加えるだけで、香りががらりと変わるのが驚きでした。平安貴族たちもお香を調香するのに、その加減で「おしゃれ」かどうかが決まったのだそう。なんだか雅やかな気持ちになりますね。
乾燥させて、出来上がったものがこちら。焚いてみると、甘くふくよかさ香りの中にちょっとスパイシーな香りが合わさって、心が落ち着きます。
平安貴族も嗜んだ調香を体験し、自分がどんな香りが好きなのか、香を嗅ぐとどんな気持ちになるのか、ていねいに内面を掘り下げていくような経験ができました。
興味がある方は、Juttoku.店舗までお問い合わせくださいね。
記事は取材当時のものです。