思わずクスッと笑えるような、愛らしいネコたち。木彫にこだわったBUNi PUNiの作品が生まれるまで

BUNi PUNi

 

素朴ながら愛らしさにあふれる作品を作り出すBUNi PUNiの菅野さん。ひとつひとつ手作業で生み出されたキャラクターにはそれぞれ物語があるように感じる温もりがあります。現在は販売してすぐに完売してしまうほどの人気ぶりを見せる菅野さんの作品ですが、そのものづくりに対する想いを伺いました。

 

菅野さんはひょうたん型のネコなどの木彫り人形を、世界一軽くて柔らかい木材といわれるバルサ材で制作しています。ポップな色合いで着彩された猫たちは、手にしてみると軽く、それでも木の素材感がしっかりと残っています。

 

BUNi PUNi

 

コンセプトは旅先で出会う民芸品のような素朴さを現代の感性で作り出す、いわば「無骨ポップ」手仕事の跡が残った木彫りのシルエットには無骨ながら軽快なリズムが生まれていますよね。

 

そんな菅野さんがものづくりする上で大切にしていることは、自分だけの「これがいい!これが素敵だ!これがかわいい!」と思う気持ちを大切にすること。他の人や世間から見たらちょっとバカみたいかしら?というようなアイディア(豆絞り手ぬぐいでほっかむりしたネコ、松の模様を描いたネコ、お地蔵さんのネコなど)も、そこにこそ物作りの自由さや面白さがあると考えているのだそう。

 

愛らしいけれどどこかクスッと笑えて、手にした時にワクワクするような作品の数々は菅野さんの感性が存分に発揮されているのですね。自分が作るものはこれ!と自分が納得できるかどうか、それを芯に持つことでぶれずに作品作りをしています。

 

思いついたアイディアはなるべく素直に形にする菅野さん。試行錯誤して出来上がる素晴らしさもあるけれど、後から見るとささっとスケッチしてザクザク彫ったもののほうがいい感じに出来上がることが多いのだそう。

 

BUNi PUNi

 

6年ほど前にBUNi PUNiを始めた頃よりも少しは彫る技術も上がったので、勘所もわかるようになって、よりストレートにアイディアを形にできるようになったのかな、と話してくださいました。

 

柔らかいバルサを使う事で、ひらめきから完成まで直感的にどんどん削っていくことができ、どんどん削れるからこそのユニークな表情が出ます。それゆえに削る感触も楽しく、一削り一削りで表情が変わってゆき終わりがなくなってしまうので、これでよし!という見極めが大事になってくるそう。

 

その際、気をつけているのは彫目の大きさ。作品が小さいためあまり細かいタッチで彫ると木彫りの素朴な雰囲気が感じられなくなるので、おおらかに細かくなりすぎないように注意しています、とのこと。

 

BUNi PUNi

 

また、なんとも言えない可愛らしい表情の猫たちが特徴的ですが、その顔の表情については納得がいくまでずっと描いています。

 

一回で描ける時もあれば、何度となく描き直すものもあり、一つの作品にこだわり過ぎることもあって、そんな時は疲れてしまうそうですが、ここはどうしても譲ることのできない部分なのだとか。

 

BUNi PUNi

 

いつか達人の域に達し、ちまちま何度も描き直すなんてことがなくなる日が来るとかっこいいですね~、と笑いながら目標を語ってくれました。

 

作品を手に取った方には、楽しく愉快に平和な気持ちになって欲しい、そう菅野さんは話します。お客さまからもよく「思わず笑ってしまいました」「癒されています」というメッセージをいただくそうです。

 

普段の生活で忙しかったり心に余裕がなくなったりするときには、BUNi PUNiの人形を眺めることでそういった気持ちから一時でも解放されて、少しでも笑顔になってもらえたら

、と菅野さん。

 

BUNi PUNi

 

最後にこれからの展望、やって見たいこと、挑戦していきたいことを伺いました。

いま準備しているのが、BUNi PUNiのグッズ販売。木彫り人形を生産できる数が少なく、お客さまになかなか提供できない状況が続いているので、スマホケースやTシャツなどでもBUNi PUNiの世界を楽しんでいただけるような展開をしていけたらと考えているそう。

 

BUNi PUNiの人形がちょこちょこ動く、コマ撮りアニメの映像にも興味があり、実験的に制作も。しかし大掛かりな作品はまだまだ難しいため、専門の方が制作するCMなどに木彫り人形を出演させてもらえたら、という密かな野望もあるそう。

 

BUNi PUNiの人形が動いてPRをする姿、とっても可愛らしく、目を引くと思います。

 

菅野さんの長期的な目標では、死ぬ間際まで彫っていたいという思いがあると聞いてその作家魂に感服してしまいました。日本の多くの家庭に「こけし」が自然と飾られているように、BUNi PUNiの木彫り人形も、そのような存在にしてゆきたいとのこと。

 

制作できる木彫り人形の数が少ないため、ネットショップになかなか在庫を置けずにいるのが現状ですが、これからもマイペースで発表してゆく作品をご覧いただけましたら嬉しいです、と菅野さん。

 

記事は取材当時のものです。

 

新しくスタートしましたグッズ販売のページ「BUNiPUNi-BUPPAN」はこちら

https://suzuri.jp/BUNiPUNi-BUPPAN

 

愛らしいけれど、クスッと笑ってしまうようなBUNi PUNiの木彫作品。ご縁があればぜひ手元にお迎えしたいですね。即完売が少なくないので、購入を希望される方はBUNi PUNiのブログもチェックしてみてください!

https://bunipuni.exblog.jp