きるるはらら

物語のあるモノと暮らしマガジン

生活を共にするプロダクトを。小さな工場から生まれるコンテンポラリーなモビールたち。足利「mother tool」

mother tool

栃木県足利市に一風変わったモビールを作っている工場があると聞いて訪ねてきました。従業員4人のその工場では、今までにないプロダクトとしての素材を活かしたモビールたちが生み出されています。試行錯誤を重ね、慎重に計算され、最後は手作業で組み立てられていく繊細な製品。そこには生活を少し豊かにする楽しさが詰まっていました。

 

代表の中村実穂さんにお話を伺ってきました。

 

3年前に足利に移転してきたというmother toolの工場は、足利市駅から車で数分のところにあります。

 

もともと中村さんは群馬で工業製品の組み立ての工場を26歳という若さで継いで経営なさっていたのだそうです。

 

「跡を継いだ時は26歳で、正直嫌だったんですけれど、両親が高齢だったのもあって早く継いでと言われていて、従業員が40人くらいいたので、その人たちの生活はどうするのかと説得されて」

 

そんな中で、下請け工場としてではなく、自分で楽しめることをやろうと思って始めたのがmother toolでした。

 

「mother toolの由来はマザーマシンなどの”マザー”で、元になるとか、きっかけになる道具という意味がるんですけれど、それがいいなと思って名前にしたんです」

 

mother toolが作っているのは一般的な紙製のモビールではなく、木や金属、アクリルなど様々な素材を使ったもの。モビールを専門に作っている企業というのは少なく、そのデザイン性に優れた魅力的な製品を拝見し、新しい驚きがありました。

 

mother tool

mother tool

 

「もともと組み立ての工場をやっていたということもあって、自分のところでは素材からは作ることができないので、素材は外に探しに行って、いろいろな工場を近隣だけではなく見せてもらいながら、その中で何ができるかなって考えて」

 

「今まで素材同士を組み合わせるという製品を作ってきましたが、組み立てが要のプロダクトを作りたいと思って始めたのがモビールなんです。バランスとか細かな手加工が必要なので、私たちに向いているなと思ってモビールを作り始めました」

 

今までの他のプロダクトだといろいろな素材を使うのは難しかったそうですが、モビールではいろいろな素材を活かしながら使えるので、独自のモビールが作れるようになったのだとか。

 

工場では細かな手作業が行われています。

 

mother tool

 

機械では開けられない小さな穴を開けるため、工具にも溝をつけていたりと工夫がなされています。

 

mother tool

 

mother tool

 

「細かな作業と、バランスと、作り方にはいろいろ気を配ります。すごい小さな穴に糸をどう結ぼうかなとか、形はすごいシンプルなんですけど、小技が満載でちょっとマニアックなんです」

 

「数値だけではできないんですよ。一個一個見ないと。なので自分たちでバランスを探しながら作っています。物だけ見てると作るの大変そうに見えないんですけどね」

 

中村さんは様々なアイデアや可能性を形にするべく、時には日本全国の工場を訪れることもあるそう。素材とアイデアが合致して、一緒に仕事として成立した時はなんとも言えぬ喜びがあるそうです。

 

大事にしているのは人と人との繋がり。製品には人の顔が見えないので、お互いが気持ち良く仕事をするためにも信頼関係はとても大切なものなのです。

 

mother toolのモビールの楽しみ方について伺ってみました。

「お部屋の中で勝手に動くものってあんまりないんですよね。おすすめとしては窓際のコーナーとかにかけていただくと、モビールの影も楽しめるのでいいです」

 

「日本の方だと風鈴とかつける方も多いと思うんですけれど、モビールは人が暮らしている空気の流れとか、気配みたいなものを見えるようにしてくれるプロダクトだと思うんです」

 

確かに、なんとなく動いている、みたいなものってありそうでないですよね。人の生活の中にある動きを表現できるのは面白いと思います。

 

「オブジェだとそこで完結されているけれど、モビールはそこに動きが入っているので、生き物のように感じるというか、ペットみたいなところもあります」

 

モビールがペット!確かに人の動きや風に合わせてふわふわと漂う様にはなんだか命を感じる様で癒されますね。

 

そしてパッケージにもひと工夫。様々なこだわりが詰まっています。

 

mother tool

 

様々な試みを実践されている中村さんに、これからの目標を伺いました。

 

「モビールのブランドって世界的に見ても数がないんですよ。紙のモビールとか、作家さんがやられていることはあるんですけれど、プロダクトとして大人の楽しめるモダンなものってあまりないので、モビールといえばmother toolというようなコンテンポラリーなモビールメーカーになりたいなと思っています」

 

現在、海外のデザイナーとのコラボレーションも積極的に行っているそう。

 

mother tool

 

みなさんに集合していただきました。これからのmothe toolの活躍に期待が膨らみますね!みなさん、ありがとうございました!

 

記事は取材当時のものです。詳細は下記までお問い合わせください。