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学芸員さんオススメ!美術館の楽しみ方《美術館の無料招待券をプレゼント!》

きるるはらら編集部が聞く!美術館の楽しみ方!

芸術の秋、10月は美術館で芸術への造詣を深めてみてはいかがでしょう。

今回は東京の竹橋にある、東京国立近代美術館工芸館にお邪魔して、学芸員さんに美術館の楽しみ方を伺ってきました。

この東京国立近代美術館工芸館は数ある美術館の中でも珍しく、近現代の工芸やデザイン作品に主眼を置いた美術館です。

また、この工芸館の建物は、明治43(1910)年3月、陸軍技師田村鎮(やすし)の設計により、近衛師団司令部庁舎として建築され、その建物を保存活用したものです。2階建のレンガ造で、正面中央の玄関部に小さな八角形の塔屋をのせ、両翼部に張り出しがある簡素なゴシック様式の建物です。丸の内や霞ヶ関の明治洋風煉瓦造の建物が急速に無くなっていくなかで、官庁建築の面影をよく残しており、日本人技術者が設計した現存する数少ない遺構として重要な文化財です。

きるるはらら的 美術館のススメ!

Point.1学芸員さんって何をしているの?

一般的にあまり知られていない職業である、学芸員。博物館や美術館に勤めているということはみなさんなんとなくご存知かもしれませんが、一体どんなお仕事をしているのか? 直接お伺いしてきました!

学芸員さんは各自の分野を担っていて、それぞれ調査研究を行っています。その集大成を一つの成果として世に出すのが展覧会というわけです。その他に、博物館や美術館が所蔵しているコレクションの形成と保存活用を考えています。海外ほど日本は職務が細分化されていないため、それ以外にもPRや普及活動などの多くや雑務なども学芸員さんが担当することが多く、自分たちのことを「雑芸員」と呼んでいらっしゃいました。それほど大変なお仕事なのですね!

こう聞くとなかなか私たちと接点が無いようにも感じますが、実はギャラリートークなどでお客さまと接することもあるのです。それでもシャイな方が多いので、それほど積極的!というわけでもないそう。自分が表に出るよりも、自分が手をかけた展示を見てほしい!という気持ちの方が強いようです。

また展覧会に欠かせないものであるカタログ。展覧会が終わってしまえば、形がなくなってしまうので、それをなんとか形に残したいというのがこのカタログなのです。その中に学芸員さんはこれまでの蓄積を頑張って残します。主に論文を書いたり、作品の紹介を書いたり、いろいろなことをしています。

美術館に行ったらぜひ、展覧会のカタログもチェックしてみましょう。学芸員さんたちの想いの詰まった集大成のひとつなのです!

Point.2学芸員さんに聞く!美術館の楽しみ方

美術館に行ってみたい、でも楽しみ方がわからない…という方も多いのではないでしょうか。自分には芸術の造詣がないから、どうやって美術品を鑑賞したらいいのか。そんな疑問を直接学芸員さんにぶつけてみました!

まずは特に難しく考えず、歴史とかいろいろなことがどうしても気になってしまうかと思いますが、はじめは好きか嫌いで判断していきましょう。この形がいいなとか、この色が素敵だなとか、そういう感覚で見ていけば、自分がなぜそれを好きだと思ったのかが自然と見えてくるはず。服を選んだりカバンを選んだりするのと同じ感覚で作品を見てみると、好きか嫌いかの蓄積によって自分がどういうものに興味があるのか、自分自身への気づきになります。

まずは気軽に足を運ぶことから始めてみましょう。

また工芸館の場合、水曜日と土曜日にタッチ&トークというイベントを行っていて、ガイドスタッフさんが作品について解説をされるそうです。実際に作品に触って、それに関連するものを会場で解説を聞きながら見るのですが、何人かのお客さんと一緒に回っていくので、自分の考えや感想だけではなく、他の人の感想も聞くことができます。そうするとどんな気づきがあるのかということが、たくさん見えてくるはず。

誰かと一緒に同じ作品を見ることによって、もっと広がりを持って作品に接することができます。ぜひこういった機会にも足を運んでみることをおすすめします!

Point.3開館40周年記念特別展「陶匠 辻清明の世界」

工芸館は今年開館40周年を迎えます。それに際し2017年9月15日(金)~11月23日(木・祝)まで記念特別展として、陶芸家 辻清明さんの作品を展示しています。

辻清明(1927-2008)は、1955年に東京・多摩に登窯を築いて以降、信楽の土を用いた無釉焼き締め陶を活動の中心とした作家です。古美術の蒐集や芸術家との交流を通して感性を磨き、「明る寂び」と呼ばれる信楽特有の美の世界を構築しました。

陶芸で一般的な釉薬は使わず、高温で焼き上げた作品は独特の質感があり、思わず手に取ってみたくなる誘引力があります。

《信楽自然釉茶盌》1992年 東京国立近代美術館蔵 撮影:藤森武

また工芸館の展示室の中でひときわ特徴的なのが、「和室」です。谷口吉郎さんという建築家の方が設計したこの和室は、今回の展示の中でも特に魅力的な見所です。

今回はその和室に「天心」と呼ばれる辻さんの代表作でもある作品が展示されています。学芸員さん曰く「天心」は辻さんそのもの、ぜひガラスを介さずに辻さんと対話していただきたい。とのこと。後ろに飾られた書も辻さん直筆のものですが、一目見た時に「和室に飾ろう」と直感したのだそうです。

「堅く焼き締まり、火割れを起こした大合子は、宇宙のシンボルだ」と語る辻さんは、この作品をいつも手元に置いて眺めていたといいます。信楽の素材や技法の特長を引き出しながら、既存の形式に収まらない、辻さんの考える「明る寂び」の世界が融合された作品です。

その他にも、陶芸に詳しくなくてもユーモアや見ごたえのある作品が数多く展示されていて、辻清明さんの人となりを知ることができる内容になっています。

Point.4明治生まれの40歳。開館40周年を迎えて

東京国立近代美術館工芸館は2017年11月15日に開館40周年を迎えます。

建物には100年以上の歴史があり、関東大震災も耐え抜いたそうです。1972年から、5年にわたる工事を経て改装され今に続くそうですが、開館当初はこの美しい赤レンガの美術館には看板もなく「知る人ぞ知る」美術館だったそうです。

工芸館ができる前は工芸専門で展示をする公立の美術館というものがなかったそう。そこに工芸館が40年前生まれたことで、日本の工芸というものがどういうものであるかということが知られるようになり、日用品としての側面だけでなく、作り手の主張によって生まれた作品である”作家の工芸”につい て地道に研究・展示してきたことがやっと認知されてきた、そういった感覚があると学芸員さんは語ります。

これからの工芸館は、歴史的なものを検証しながら、未来への方向性も持って、もっと面白いもの、新しい工芸の流れを汲み取りながら、さらに広がりを持って作家や作品を紹介していくそうです。

芸術の秋、ぜひ美術館に足を運んでみてください。

また読者の方、10組20名様に「陶匠 辻清明の世界ー明る寂びの美」展招待券をプレゼントいたします。キャンペーン詳細はきるるはららFacebookページをご覧ください。

ぜひふるってご応募ください!


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