女性の夢を形にしたようなお花に溢れるノスタルジックな花屋さん「jardin nostalgique」

 

神楽坂のメインストリートを少し離れた路地にひっそりと佇む、なんだか田園風な店構えの花屋さん。店名の「jardin nostalgique」はフランス語で「懐かしい庭」という意味。その名の通り、どこか懐かしい香りのするお店です。

 

 

店主はフランスで修行を積んだフローリストの青江さんと、フローリスト兼パティシエの加藤さんのお二人。なんとここは花屋さんであり、また美味しいケーキをいただけるカフェでもあるのです。

 

お二人は花市場の仲卸をしている時に知り合い、お互いにお店を出したいという夢から意気投合したそう。二人ともアンティークなものやデザインが好みということもあり、お店のイメージは二人で好きなものを持ち寄り、すり合わせながら出来上がったもの。店内もアンティーク調の什器とナチュラルな草花で、まるで女性の夢を形にしたような空間に仕上がっています。

 

フランスの花屋さんの様な雰囲気を持ったこのお店は、いつもたくさんのお花であふれていて、訪れるだけで癒されます。それだけではなく、お二人の作る花束はどこかのびのびとした野性味がありながらエレガント。そして毎月行われているお花のレッスンはわずか数分で枠が埋まってしまうほどの人気ぶりなのです。

 

そんなお二人にお店について伺いました。

 

大切にしているのは「自分の好きなものを提案すること」

お花についても、お菓子に関しても共通しているコンセプトは「自分の好きなものを提案する」こと。世間で今どういうものが流行っているかは関係なく、季節感や自分たちの感性に従ってお花を仕入れているのだそう。お菓子づくりについても、自分の美味しいと思うものを作るようにしていて、素朴な味わいや、好みのハーブや香辛料を使って香りをつけたものをお店に出しているとのこと。

 

自分たちの好きなものがお客様に受け入れられた時というのは喜びですよね。

 

お花で「自分の気持ちの色」を見つける楽しみ

お客様にはお花にしろお菓子にしろ、それをきっかけにしてちょっと安らぎの気持ちや、ほっとするような一瞬を持ってもらえたらいいなと思います、と加藤さん。

 

「特別なものというよりは、日常使いでお花を毎週1本買っていって、部屋に飾っておくだけで、ふと雰囲気が変わる。また、その時の自分の気分の色を見つけたり、自分の好きなお花を店頭で見つける過程も楽しんで欲しいです」

 

 

jardin nostalgiqueはお花の種類も常に豊富なので、見て楽しんだり、ゆっくり過ごすことができそうです。

お花の種類が多いのは、「ここに来れば何か見つけられるんじゃないかな」というお客様の気持ちに寄り添いたいから。ついついたくさん仕入れてしまうのだとか。

 

お花という「いのちあるもの」と過ごす

お花の楽しみ方について聞くと、「今の季節だと、チューリップとかラナンキュラスとか、挿すだけでも楽しいと思いますよ」と答えていただきました。「花瓶がなかったらコップに1本ぽんっと入れておいても、日々の変化が見えてくる。開いてきたりとか、ちょっと今日は寒いから閉じてるなとか、生花だと色が変わってきたり、日々の変化を楽しめることが魅力」だそう。

気分を変えたい時にインテリアを変えるのは大変だけれど、お花を1本飾るだけで部屋に彩りが加わる。1週間後に気分を変えたくなったら、また違う色のお花を飾る。気分によって簡単にアレンジできるというのはお花のまた大きな魅力です。時々、「生花は枯れるから悲しい」という声を聞きますが、枯れていくということが生命力を感じさせるとともに、いのちあるものを置くということは良いことだと考えているそう。枯れていく姿がきれいだと感じるので、枯れる過程まで楽しんでもらえたら嬉しい、とのこと。

 

お花も身近ないのち。そのいのちの美しさに寄り添ってみてはいかがでしょう。

 

斬新なことは求めていない。継続が一番大切

この先やってみたいことを尋ねると、「継続していくこと」との答えが。

 

「続けていくことが一番難しい。向上心としては、色々な新しいものを生み出すとか、よりクリエイティブでありたいという考えがあるので、極端に斬新なことというよりは、大枠の流れはずっと一緒だけれど、その中で新しいことをやっていくような、継続の中でお店を大切にしていきたいです」

 

お花の魅力をもっと知ってもらえるように、お店を続けていくこと。私もさっそく部屋にお花を飾ってみたら、ちょっぴり贅沢な気分で気持ちにゆとりができました。ぜひ皆さんもjardin nostalgiqueの世界を体験しに足を運んでみてはいかがでしょうか。

記事は取材当時のものです。